新プロジェクト始動

今年度より,松島公望先生(東京大学),イーリャ・ムスリン先生(立教大学)らを中心とした以下の研究プロジェクトが始動し,西脇もメンバーとして参加することになりました。プロジェクト名は,

「ユダヤ-キリスト教的文脈の脱構築を試みる宗教性/スピリチュアリティの実証的研究-日本人の宗教性の実態解明および日本とトルコとの比較調査,比較実験(国際共同研究)-」

というものです。本ブログでは「国際共同研究プロジェクト」と呼ばせていただきます。

これは,国内で宗教性/スピリチュアリティに関する実証的研究を進めようとする際,欧米の先行研究にみられる概念(「宗教性」「スピリチュアリティ」等)や理論的枠組みをそのまま踏襲しようとするのではなく,暗黙裡に前提とされてきた「ユダヤ-キリスト教的文脈」(一神教世界観,制度的宗教や教義の重視,個人の内面的信仰の強調など)を意識化し,脱構築をはかり,そのうえで「日本の宗教文脈」(多神教世界観,制度的宗教や教義の回避傾向,素朴な宗教感情など)における,より最適化された宗教性/スピリチュアリティ概念の提案を試み,かつ,その提案に基づいた実証的研究を進めていくことを趣旨に,立ち上げられたプロジェクトです。

国際比較調査としては,「ユダヤ―キリスト教的文脈」と「日本の宗教文脈」,いずれとの対比からも非常に有益な示唆が得られることが期待されるトルコとの比較調査が予定されています。

(のちほど,研究プロジェクトとしての公の説明が出されましたら,本ブログでも紹介させていただきます。

大きく「概念構成班」「心理学的調査班」「脳科学実験班」の3班に分かれ,国内では20数名の研究者が参加するプロジェクトとして構想されています。

今後,本プロジェクトで動きがありましたら,折にふれて紹介させていただきます。
(2021年06月07日記)


画像:神言修道会創立の地シュタイル Steyl(オランダ)の聖ミカエル修道院